「のどが渇いていないから、水分は足りている」
そう思って、水を飲むのを後回しにしていませんか?水不足というと、真夏の熱中症や、運動中に汗をかいたときに起こるものと思われがちです。しかし、本当に気をつけたいのは、毎日の小さな水分不足が少しずつ積み重なっていくことです。
水は、ただの飲み物ではありません。血液によって酸素や栄養を運ぶ。体温を一定に保つ。食べたものを消化する。不要になったものを尿や便として排出する。脳や筋肉、内臓を正常に働かせる。私たちの体で行われている、ほぼすべての生命活動に水が関わっています。
つまり、体の水分が不足することは、全身の働きが少しずつ滞ることでもあるのです若い頃は、体内の水分が減ると自然に「のどが湯いた」と感じ、水を飲むことができます。
ところが年齢を重ねるにつれ、のどの渇きを感じる感覚は少しずつ鈍くなります。さらに、筋肉量が減ることで、体内に蓄えておける水分量そのものも少なくなっていきます。若い頃と同じように生活していても、以前より水不足になりやすく、しかも本人はその変化に気づきにくいのです。
●疲れ・だるさ
水分不足で血液のめぐりに負担がかかると、疲れが抜けにくく、体の重さを感じやすくなります。
[対策]
起床後と午後の休憩時に、コップ一杯を習慣に。疲労を感じる前の補給が大切です。
●ぼんやり・集中低下
脳への酸素や栄養の運搬が滞り、頭が重い、考えがまとまらないといった変化が起こっています。
[対策]
脳は多くの水分を必要とする器官です。作業の区切りごとに一杯を習慣にしましょう。
●頭痛・めまい
水分が減ると血流やリンパの流れに影響し、頭痛やめまい、立ちくらみにつながることがあります。
[対策]
ふらつく前の水分補給を。外出や入浴の前後に、少量ずつゆっくり飲みましょう。一度にたくさん飲むより、こまめに補うほうが、水分不足を防ぎやすくなります。
●足がつる・こわばる
水分やミネラルが不足すると、まず筋肉がこりやすくなり、最終的に足のつりが頻繁に起こるようになります。
[対策]
入浴後に水分をとり、就寝前にも少量を補って、代謝を滞らせる夜間の水不足に備えましょう。
便秘と頻尿。一見すると正反対の悩みに思えますが、どちらも水分不足が関係していることがあります。体内の水分が足りなくなると、体は水を逃さないよう、便からできるだけ水分を吸収します。その結果、便が硬くなり、腸の中を進みにくくなってしまうのです。
一方、「トイレが近いから」と水を控えている方も少なくありません。しかし、水分を減らすと尿が濃くなり、少量の尿でも膀胱が刺激されて、かえって尿意を感じやすくなることがあります。尿の色が濃い、においが強い、排尿時に違和感があるときは、水不足のサインかもしれません。
便通や頻尿が気になるからこそ、水を控えるのではなく、少量ずつこまめに補うことが大切です。
「水を飲むのが苦手だから」と避け続けていると、水不足が習慣になり、体の負担を積み重ねることになります。
一度にたくさん飲む必要はありません。まずは朝起きたときや食事の合間に、飲みやすい水を少しずつ取り入れることから始めましょう。毎日の一杯を重ねることが、便通や排尿のリズムを整える土台になります。
水分不足の影響は、血液や内臓だけに現れるわけではありません。皮膚や粘膜も水分を必要としています。口の中がねばつく。唇が乾く。肌のハリがなくなった。目が乾きやすい。このような変化も、体の水分状態と関わっている場合があります。
また、肌の水分が不足すると、キメが乱れ、くすみやカサつきが目立ちやすくなります。外から保湿しても乾燥を繰り返す方は、体の内側の水分が足りていない可能性もあります。「最近、体全体が乾いている気がする」と感じる方は、保湿だけでなく、内側からの水分補給も見直してみましょう。
※当記事は弊社発行誌『イキイキ生活通信』に掲載された内容を改編・再載しております。
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